≪映画のポスターが大変良く出来ていて それが全てだと思ってしまうことがままあるけれど 原作を読むとそれは只の一面しか現していないことがある≫
15歳の少年の大人の恋『愛を読むひと』が現在公開されている。原作はベストセラーの『朗読者』です。
原作はドイツでの刊行後 5年間で20ヶ国以上の言葉で翻訳され アメリカでは200万部を超える大ベストセラーになった傑作『朗読者』。傑作かどうかは読む人 映画を見る人によって違うでしょう。
日本でも 海外文学で異例のミリオンセラーとなって 江國香織・高村薫・池澤夏樹をはじめとする作家が次々絶賛しています。
舞台となるのは1958年のドイツ。15歳の主人公・ミヒャエルが気分が悪くなったところを21歳年上のハンナに助けられ それをきっかけに男と女の関係になるが ハンナの私生活や過去が語られることは無かった。
あるときベッドを共にした後 ハンナが本を読んで欲しいと言われ朗読を軸にした少年と大人の女性のラブストーリーが展開する。
会う度に様々な本をハンナに読み聞かせ 初めての大人の恋にのめり込むミヒャエルだったが ある日ハンナは彼の前から突然姿を消してしまう。
ここまでで本の半分弱で 何かを期待していると外れます。15歳はまだ子供なので人を思いやるなど分からず 少年がセックスに溺れて行く内容です。

そして8年後にハンナとの衝撃的な再会を法廷で迎えたミヒャエル。
更に月日は流れハンナとの出会いから20年後 ミヒャエルは獄中のハンナにとっての最後の朗読者となることを決意し 彼女の服役する刑務所に朗読を吹き込んだテープを送り始める。
当然これには深い分けがあって ハンナがこれまで過ごしてきた人生が裁判で明らかになって行くくだりが この作品の重い主要なテーマです。
それは戦後ドイツが抱えた「負の遺産」ナチズム 戦争犯罪に深く関わっていたことが明らかになってきます。
そして何故ハンナが アウシュヴィッツ強制収用所の若い囚人やミヒャエルに 朗読をさせたのかが明らかになってくるのです。
映画でハンナを演じるのは『エターナル・サンシャイン』・『タイタニック』のケイト・ウィンスレット。 本年度アカデミー主演女優賞。
青年期のミヒャエルには『レッド・ドラゴン』『イングリッシュ・ペイシェント』に出演したレイフ・ファインズ。 良い配役ですね。
この本の深い読みは 次回にいたします。 しかし「ミヒャエル」が全編に取る行動は納得出来ませんね。負け犬・傍観者でハンナのある種の強い生き方から見て 敗残者と見るのはわたしだけでしょうか。
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