≪日本では難民という人達を 日常生活の中で接触することは少ない それと身近なアジア 特に北朝鮮には関心を持つが アフニスタンは遠い国で そこに生活をしている人達のことはほとんど知らない≫
久しぶりに心を揺さぶられる
映画を見ました。 それは「君のためなら千回でも」アフガニスタンを題材に 家族とは親友とは何か そのために人として行動するのは何かを 見つめ直す機会にもなりました。
原題は「カイト(凧)ランナー」 凧を探す人とでも呼ぶのでしょうか。
1970年代のアフガニスタン。裕福な家の一人息子アミールは 召使いの息子ハッサンと凧遊びをしたり 兄弟のように仲よく暮らしていた。
だがある日 小さな二人の絆は思いがけない出来事によって砕け散ってしまう。
やがてソ連がアフガニスタンに侵攻。2人の関係は修復されることなく アミールと父親は米国に亡命する。時は流れ 2000年のサンフランシスコ。小説家となったアミールの元に 亡き父親の親友から「君は今すぐ故郷に帰って来るべきだ」と電話が入る…。
戦乱以前の“中央アジアの
真珠”と呼ばれていたカブールの日常 そしてソ連軍侵攻とタリバン台頭まで 素顔のアフガニスタンが生活力豊かに描かれていて 現在のニュース映像でみるアフガニスタンとは別の世界のような気がします。
特にタリバン勢力に支配され 公開処刑が粛々と行われる2000年の同国の描写は ドキュメンタリーさながらのリアリティで思わず画面から目を離してしまいました。
そうした大きな時代のうねりを背景に 罪・友情 そしてつぐないといった普遍的な人間
ドラマが写し出されています。
映画としては 空中戦を思わせる凧合戦の爽快感 少年たちの生き生きとした描写や表情がとても印象に残る作品です。
更にアミールとハッサン「とても印象深い子役」の描き方が良く しかし一方で「物語」として考えてしまうと強引さが目立ち かなり無理が出てきてしまう。特に後半でハッサン夫婦がタリバンに殺され 一人息子のソーラブを助け出す為にアフガンに行く過程が ご都合主義という印象もなきにしもあらずでした。
しかし本作の嚆矢は何と言っても少年時代の物語 秘密の罪を抱えて生きる少年の後ろめたさが実にきれいに描かれていて 少年世界を描いた作品としては魅力を見せてくれました。
ただその秘密の罪が 大人になった時にどのように主人公にフィードバックされたのか ここを説明する展開が弱いところが少し不満でした。
少年時代のアミールはハッサンを親友と呼びながらも 自分のために忠義を尽くすハッサンを アセフたちが強姦する場面で見て見ぬふりをしてしまう。
そして自分の犯した罪を恥じるがゆえ 目前からその結果を遠ざけてしまい なお且つ自分の時計を故意に隠して ハッサンに罪をなすり付けてしまう 鬱屈した感情 分かるような気がしますね。
アミールがハッサンを忌むに至る流れは非常に巧く
子供たちを導く立場にいる大人たちの接し方も丁寧に描かれていました。
特にハッサンのハザラ人の父親が別れの時に語る 誇り高き一言も非常に強烈でしたね。
また総ての罪は「盗み」のバリエーションだと語り 他人の妻をソ連兵から身を挺して守る勇敢な父ババが アリの妻と不義を働いた過去を背負うところも物語としてはありでしょうか。
アフガニスタンでは「出身部族・それも村単位の狭さ」が全てで パトウシュンが多数派で ハッサンの父親のハザラ人は論外ということのようで これもアフガニスタンの歴史を勉強しないと分かりませんね。題名の由来は 君のためなら千回でもカイトを探しに行くよという 男同士の無償の愛友情を現しているようです。